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“万灯流し”では、由良川を流れる多くの灯篭が夏の風情を醸し出し、あやべ水無月まつりの大きな特色の一つとなっている。
すぐ目の前に次々打ち上げられる花火が、迫力満点の夏の風物詩である一方、
川辺をゆったり流れる万灯流しは、暑い夏に涼やかな風流を醸し出し、花火同様、綾部の市民に長く愛されてきた。
明治の終わりごろ、先祖さんの供養にと、地元並松の住人が、川に灯篭を流したのがはじまり、とか。
当時、並松町で遊船などを行っていた地元住民たちが、更に盛り上げようと、この灯篭流しを大々的に取り上げた。
そして由良川河畔の観光開発に力を入れていた綾部実業会によって、現在の“花火と万灯流し”という2大イベントがあやべ水無月まつりとして始められていった。
丹波茶屋ゆらり横の川岸から4艘の船が出る。1艘につき約10人が乗り込む。川の両岸にはHの状態で事前にロープが渡され、船はロープをつたって流し位置までいく。
流し手は安全の為にライフジャケットを着用。
スタッフの指示で、ボランティアの方が、灯篭のローソク部分に“チャッカマン”で火をつけ、徐々に川辺へと灯篭を浮かべていく。
ちなみに、万灯流しに使われる4隻の船は、亀岡の保津川下りで使われていたものを譲り受けたもので、由緒ある(?)船たちです。
以前は鐵工工業組合の青年部や市民フォーラムによって流されていた時期もあったが、もっと市民への広がりを!―見るだけでなく参加して楽しんでもらおう―と、一般公募によって集まった市民の方々によって流されている。
この灯篭流し、実際に参加した市民ボランティアの方からは非常に好評だ。
まず、綾部の一大イベント、水無月まつりに自分も参加しているのだという充実感。
船上で夜風に吹かれる心地よさ。
そして実は、船上からの花火の眺めは抜群!
灯篭を流しながら、川辺を漂う涼しい風に吹かれながらの特等席での花火観覧は、贅沢この上ない。
明治の初期には、かまぼこ板に釘を打ち、ローソクを立てたものを流していたとか。
現在は、特定非営利活動法人「ともの家」さんでつくられている。
和紙で作られた色とりどりの万灯は、幻想的な光を放ちながら由良川を漂う。
花火の打ち上げ場所の移動とともに、現在は花火の観客も、万灯の流れる綾部大橋近辺より川下へ移りつつある。 しかし! 空が夕闇に変わり、花火打ち上げ開始を予感させるかのように、ゆっくりと川面を流れ出す万灯流しを楽しめば、更に綾部の夏を満喫できること間違いなし!
ここ数年、万灯流しを見ていない、というアナタ、今年はぜひ、家族や恋人と、この万灯流しを楽しんでみてはいかがだろうか。